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ニキビとは。 (基本に戻るのは大事です)

日常ありふれた皮膚疾患でも、いろいろな塗り薬があっても、なかなか治療に反応せず頑固なのがニキビです。
「そこにニキビがある」のではなく、ニキビとはいったい何なのか、どうしてできるのか、どんな治療があるのか、治療以外にでするべきことは、など基本に戻るのも大事です。

ニキビとは、「皮脂」を分泌する組織(皮脂腺)のある毛包に「毛穴のつまり」が生じそこに「アクネ菌」が感染して生じた化膿性皮膚疾患です。
ポイントは、「皮脂」「毛穴のつまり」「アクネ菌」です。

「皮脂」だけではニキビの原因となりません。①皮脂が過剰に分泌される場合②皮脂の排泄が悪い場合、にニキビが生じやすくなります。つまり多くの皮脂が毛穴に溜まった時にニキビが起きやすくなります。
①皮脂が過剰に分泌される場合
まずは思春期です。男性ホルモンが多くなり皮脂腺が発達し皮脂分泌が増えます。顔や頭が脂っぽくなり、毛穴に皮脂が溜まりやすくなります。個人差はありますがニキビの原因となります。思春期のニキビはこれが原因です。
女性の場合、生理前の黄体ホルモンの影響が考えられます。生理前にニキビが増えることが多いのはこのためです。またホルモンバランスが崩れた際に男性ホルモンの影響で皮脂が増えることが指摘されています。
疲れや寝不足ストレスが多いときは皮脂分泌が増えます。これには自律神経や副腎からのストレスホルモンが関わっています。
②皮脂の排泄の悪い場合
乾燥肌などで皮膚の生まれ変わりの周期(ターンオーバー)が乱れると、角質が厚くなり皮脂の排泄が悪くなります。
ストレスや疲れなどは自律神経とストレスホルモンを介して成長ホルモンの合成を阻害し肌荒れの進行を促します。その結果、毛穴周囲の角質が厚くなり皮脂の排泄が悪くなります。
また皮脂が増えれば当然排泄が追い付かなく皮脂の排泄が悪くなります。

過剰な皮脂が分泌されたり排泄が悪いと「毛穴のつまり」を起こします。
また、乾燥肌・ストレス・疲れは角質を厚くすることにつながり、肌の柔軟性が損なわれ毛穴のつまりを起こしやすくなります。

本来「アクネ菌」はお肌の常在菌で、お肌を弱酸性に維持し黄色ブドウ球菌など有害な細菌を抑えてくれる、お肌にとっては善玉菌的な存在です。
しかしながら、皮脂が過剰で毛穴がつまったり、毛穴がつまって皮脂が貯留したりすると、皮脂を栄養とするアクネ菌が増殖しやすくなります。
アクネ菌はリパーゼという酵素により皮脂を分解し遊離脂肪酸を産生します。増殖したアクネ菌は多くの皮脂を分解します。その際多くの遊離脂肪酸が作られ炎症の原因となりいわゆるニキビとなります。
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<16/11/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>