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ヘパリン類似物質油性クリーム の 油性クリーム って何? 

最近は処方外用薬、主にジェネリック製品、が一般名をそのまま名乗ることが多く、お薬手帳や薬情には複雑な覚えにくい名前が多く氾濫してしまいます。
ジェネリックメーカーがそれぞれ独自の名前を付ければ、メーカーの数だけ同じ成分の薬に違う名前がついてしまうわけで、それはそれで困りそうです。
しかしながら、例えばステロイド外用剤のアンテベート軟膏(鳥居製薬)の一般名は「ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏」、メサデルム軟膏(岡山大鵬薬品)は「デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏」であり、長くて複雑ですぐには覚えられません。
しかしながら名前から、その薬品がどのような構造でどんな特徴を持っているのか、がある程度推測できると云うメリットもあります。
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乾燥肌やアトピー肌に欠かせない保湿剤ですが、一般名で油性クリームと表記されるものがあります。例えばヒルドイドソフト軟膏(マルホ)は一般名が「ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%」です。この名前のジェネリック製剤が多く出ています。
製品名ではソフト軟膏とあり、一般名では油性クリームという表記がされています。ソフト軟膏だから軟膏なの?と思ってしまいますが違います。あくまでも商品名です。一般名表記の通りクリーム製剤です。
一体油性クリームとは何?
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クリーム剤には水中油型(バニッシングクリーム)と油中水型(コールドクリーム)の2種類があります。
前者の水中油型(バニッシングクリーム)は、選択する界面活性剤(親水基が大きい)の効果で水の中に油が存在する形態をとります。水性クリームとも言います。使用感は伸びが良い特徴があります。外観は白色に見えますが塗布すると透明になるためバニッシングクリームと呼ばれます。ヒルドイドクリーム(マルホ)、一般名ヘパリン類似物質クリーム0.3%、がこれにあたります。パスタロンクリーム(佐藤製薬)もこれにあたります。
後者の油中水型(コールドクリーム)は、前者と逆で選択する界面活性剤(親油基が大きい)の効果で油の中に水が存在する形態をとります。これが油性クリームです。塗ったときに冷却感がるためコールドクリームと呼ばれます。乾燥性の病変に適しています。ヒルドイドソフト軟膏(ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%)の他にパスタロンソフト軟膏(佐藤製薬)もこれにあたります。
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水性クリーム、油性クリームにはそれぞれ適した使い方があります。どちらも保湿剤として使われますが、その特徴を知ることが上手に使い分けるポイントです。
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<29/08/2021 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>