ビタミンCの発見と大航海時代 その① | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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院長ブログ

ビタミンCの発見と大航海時代 その①

学生の頃、ビタミンCの発見の歴史について学びました。さすがに記憶が薄らいでいるので復習してみました。
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「壊血病(かいけつびょう)」と言う疾患があります。飽食の日本ではほとんど見られることはありませんが、皆無ではありません。
壊血病とは、血管や皮膚の張りがなくなり全身のあらゆる所から出血しやすくなり、そして、最後には死に至る病気です。
15~17世紀の大航海時代に、航海が長くなると乗組員の多くが病気になり、次々に死亡していきました。歯肉や粘膜、皮膚から出血し、さらに下血や血尿も見られ、最後には免疫力も減退し筋力も低下し、ついには死に至ります。これが壊血病です。
当時は原因不明で治療法もありませんでした。恐ろしい病気と認識されていたようです。
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15世紀以降の大航海時代に、多くの水夫が壊血病で死亡したことから「大航海の病」と言われていました。それでも、冒険的な大航海が中止されることもなく行われていたわけですから、当時の冒険に対する野心や探求心はすごいと思います。もちろん宗教や植民地を獲得する政治的背景もあったので、一概に冒険と一言では片づけられませんが。
1753年に、英国海軍の軍医ジェームズ・リンドは、壊血病に罹った水兵にさまざまな食事メニューを与えて比較実験を行いました。すると、新鮮な野菜や果物、とりわけオレンジやレモンなどの柑橘類を食すると著明な回復が認められることを突き止めました。
ジェームズ・リンド
1768年から約3年間南太平洋の探検にあたったジェームズ・クック船長は、この結果をもとに大量の酢漬けキャベツ(ザワークラウト)を積み込み、野菜や果物を積極的に摂取させるようにしたところ、壊血病による死者が出ることのない長期の航海に成功しました。
ジェームズ・クック
しかしながら、このことをクック船長は、麦芽汁やロブ(保存しやすいように柑橘類の果汁を煮詰めた(加熱した)濃縮ジュース)が効果的と誤って報告したために、英国海軍はこれに従い壊血病を完全に追放することはできませんでした。当時、抗壊血病因子(後にビタミンC)が熱に弱いことは理解されていませんでした。
続く。
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<03/06/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>