痒みを科学する。 その②  | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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痒みを科学する。 その② 

皮膚に異物が付着したり皮膚を通して侵入したりした時に、皮膚内で痒みを引き起こす物質が産生されます。
その物質は大きく分けて、二つに大別されます。

「ヒスタミンか、ヒスタミン以外か」

ローランドさんというホストクラブ経営で成功したタレントがいますが、
「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か」と迷言を述べています。
上手いですね。

皮膚においてヒスタミンは、主に肥満細胞や好塩基球から産生されます。これが皮膚にある末梢神経上の受容体(鍵穴のようなもの)に結合して神経を活性化し、脊髄を中継し脳に伝わり、痒みとして認識されます。
ヒスタミンにはその他、血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用があります。
ヒスタミンによる痒みは、いわゆる抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)で抑えられます。

蕁麻疹や花粉症による痒みは、ヒスタミンが主な痒み物質として働き、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)により効果的に抑えられます。
しかしながら一方で、アトピー性皮膚炎などの湿疹、痒疹、尋常性乾癬などで生じる痒み、透析を受けている患者さんに生じる痒みの一部は、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)は必ずしも有効とは言えない場合があります。この場合ヒスタミン以外の痒みを起こす物質が関わっている可能性が考えられます。
では、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)で抑えられないヒスタミン以外の痒みを引き起こすものにはどんなものがあるのでしょうか。

続く
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<02/03/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>