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健康的な お肌の色 を決める要因は何? 

健康的な透明感のあるお肌は誰もが憧れます。持って生まれたものもあるでしょうが、美しい色と透明感を獲得し維持することは大切なことです。
疲れて寝不足が続くとくすんだ肌になり、健康状態が良好な時は自ずとお肌も艶やかです。
お肌の色を決定する要因は何なのでしょうか。
キーワードは、肌理(キメ)・メラニン・ヘモグロビンです。

①肌理(キメ)が整っているか。
色は反射した光が目に入り網膜を介して脳で認識されます。
肌に光が当たると肌表面で反射されます。肌表面すなわち角質表面が滑らかでかつ角質が均一の厚さを保ち、皮野・皮丘・皮溝すなわち肌理(キメ)が細かく整っていると、肌表面で光は効率よく反射し、明るい透明感のある肌を演出します。
一方加齢や肌荒れが進み肌理(キメ)が粗くなると、肌表面における光の反射が減少し、また乱反射を起こすなどして暗いくすんだ肌色として認識されます。

すべての光が肌で反射されるだけでなく、肌深部にも光が浸透します。この肌深部に浸透した光は、角質、表皮、真皮、皮下組織などで散乱を繰り返しながら伝搬し、外部へ出ます。肌深部には、表皮のメラニンと真皮・皮下組織における血液のヘモグロビンがあります。肌の色はこれらメラニンとヘモグロビンの2つの因子の影響を受けます。

②使用済みのメラニンがうまく排泄されるか。
紫外線を受けたり皮膚に炎症が起こるとメラノサイト(色素細胞)からメラニン色素が合成され、細胞核のDNAの損傷を防御します。使命を果たしたメラニンはオートファジー(自食)により分解されます。しかしながら分解されずに残ったメラニンは、角質細胞に受け継がれて角質内メラニンとして肌色に影響を与え、黄褐色や茶褐色などのくすみとして認識されます。
また角質と真皮の境目(基底膜)に炎症が起こると、メラニンが表皮から真皮上層に落ち(滴落)、それらが貪食細胞(取り込んで消化分解する細胞)や真皮内の線維芽細胞に貪食され真皮内にとどまり青色~褐色を呈します。

③血行が良く酸素の供給が十分か。
ヘモグロビンは酸素で飽和されるとオキシヘモグロビン(酸化型)となり鮮やかな赤色を呈し、酸素が少なくなるとデオキシヘモグロビン(還元型)となり黒っぽくなります。
すなわち血流が豊富でしかも酸素飽和度が高いと肌深部から反射された光りは赤みを帯びます。赤みを帯びた健康的な肌として認識されます。

肌荒れが少なく保湿などお手入れの行き届いた肌理(キメ)の細かいお肌は、明るい透明感のあるお肌の色を呈します。
紫外線対策を怠らず余計なメラニンの産生を抑えたお肌は、メラニンによるくすみを防ぎます。
またお肌だけでなく、適度な運動やストレス解消を心がけるなど健康維持に努めて十分な血流をお肌にもたらせば、赤みを帯びた健康的なお肌の色を維持できます。
簡単にまとめましたが、これらは意外と難しいですよね。一つ一つ積み重ねることが重要かと思います。
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<22/02/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>