動物性脂肪のとり過ぎと食行動の関係 その5 | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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動物性脂肪のとり過ぎと食行動の関係 その5

動物性脂肪の習慣的過剰摂取は、脳機能・膵臓機能に大きな障害をもたらし、我々の食の嗜好を変えてしまい、「もっともっと」と脂肪好きの脳に変えてしまうことが、脳科学的に明らかになってきました。
さて、解決策はあるのでしょうか。
もちろん、強い意志で動物性脂肪の摂取をコントロールできればいいのですが、依存性に動物性脂肪を望む脳に変わってしまうとそれは簡単なことではありません。
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今回4回にわたって述べてきた動物性脂肪の習慣的過剰摂取が及ぼす様々な健康に対する悪影響に対して、琉球大学の研究チームは、動物性脂肪の過剰摂取によって肥満などメタボリックシンドロームに陥った男性を対象に、玄米食が食後の高血糖、高インスリン血症を抑制し、肥満、糖脂質代謝異常、脂肪肝、などを効果的に改善することを突き止めました。
またウサギを用いた実験で、玄米に含まれるγーオリザノール(ガンマオリザノール)という成分が、経口投与後脳内に高濃度に取り込まれ様々な効果を発揮することを明らかにしました。
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このγーオリザノールは、視床下部における神経伝達物質(ドパミンなどのカテコールアミン)の代謝や自律神経機能の調節の関わっていることが明らかになっています。また、コレステロールの吸収抑制コレステロールの生合成抑制作用を有することが分かっています。さらに前々回「その3」で述べた、視床下部の神経細胞にける小胞体ストレスを抑制することも明らかになっています。さらにさらに前回「その4」で書いた、脳内報酬系におけるドパミン受容体(食事による満足や歓びを感知する)の遺伝子の転写調節領域(遺伝子を読み込んで必要なタンパク質を作成するかどうかコントロールする場所)における過剰なDNAメチル化(遺伝子発現を抑制する)を正常化することが明らかになっています。
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一番大切なのは、過剰に動物性脂肪を摂り過ぎないことです。
しかしながら、玄米に含まれるγーオリザノールは、視床下部と脳内報酬系の二つのシステムに働いて動物性脂肪の依存から抜け出せる力を持っているようです。
動物性脂肪の摂り過ぎとは無縁の人も、玄米の力を借りて健康維持に努めるのも悪くなさそうですね。
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<17/03/2020 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>