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新たながん検診。体長1mmの線虫が、がんを見分ける。

地球上に生息する原始的な生物の一つに”線虫”がいます。正確には線形動物といいます。
ヒトの消化管に寄生するカイチュウやギョウチュウも線虫の仲間です。鮭など魚介類を通して感染するアニサキスも線虫の仲間です。
大半の種類の線虫は、土壌や海洋中で非寄生性の生活をしています。
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この線虫、実はものすごく嗅覚がいいらしく、犬をはるかに上回るようです。
なんとたった一滴の尿で、「がんを体内に持つ人の尿」と「ガンを持たない人の尿」を嗅ぎわ分けるそうです。
線虫はがんの匂いに寄って行く性質があるそうです。
しかもきわめて精度が高いようで、早期のがんでもほぼ100%検知できるようです。
この線虫を使った尿によるがん検診が2020年から実用化されるとのことです。
”N-NOSE”という名前の検査方法で、とある企業(HIROTSUバイオサイエンス)が開発しました。
体内にがんがあるかないかを検査するいわゆる1次スクリーニング検査として機能し、陽性反応が出た人が通常のがん検診を受ける流れになるようです。
もちろん保険適応になるかどうかはわかりませんが、低コストで低侵襲しかも簡便で高精度となれば期待してしまいます。
令和に入り、10年後20年後の日本を危ぶむ声が多いですが、このような線虫を利用するという柔軟な発想と着眼があれば日本もまだまだ行けるな、と思います。
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<05/05/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>