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夏の頭皮・頭髪は皮脂と汗による油汚れでいっぱい。 (その2:シャンプーと界面活性剤の関係) (皮膚科情報)

シャンプーの洗浄効果には界面活性剤が必要不可欠です。
まずは界面活性剤の作用を知りましょう。
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界面活性剤の働きとシャンプーの関係
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混ざり合わないものを混ぜる(乳化・分散)
仲が悪いことを「水と油の関係」と表現しますが、実際に水と油は混ざり合うことがありません。しかし、界面活性剤を加えると簡単に混ざり合って、安定な乳化液をつくることができます。これはその構造上、「水になじみやすい部分(親水基)」と「油になじみやすい部分(疎水基)」の両方をあわせもつという特徴によって、水と油の両者を結び付けるのです。ですから皮脂や油っぽい汗で汚れた頭皮や頭髪を、水だけで洗ってもこれらは落ちませんが、シャンプーすると界面活性剤の力で水とそれら油っぽい汚れが馴染み合って(乳化)落ちるのです。
また、ほこりなどの細かいゴミが頭皮に付着していると、シャンプーの際に界面活性剤の効果で、水とともに均一で安定した分散液となり(分散)、ほこりなどの細かいゴミが落ちやすくなります。
濡れやすく、しみ込みやすくする(湿潤・浸透)
界面活性剤には水の表面張力を弱くする作用があります。皮脂や汗で汚れた油っぽい頭皮や頭髪に直接水をかけると、その表面張力で頭皮や頭髪から弾かれてしまします。しかしシャンプーの際に、界面活性剤が水の表面張力を弱めることで水が弾かれるのを防ぎ、頭皮や頭髪に水が馴染みやすくなります。その結果、洗いやすくなると同時に汚れも落ちやすくなります。
汚れを落とす(洗浄)
以上のような作用で、界面活性剤は汚れを落とす効果を発揮します。シャンプーが頭皮・頭髪の汚れを落とす理由です。
その他
界面活性剤は、物の表面に吸着して、その表面の滑りを良くする性質があります。そして滑りやすくすることで静電気の発生を抑えます。すなわちシャンプーすることで、頭髪の滑りが良くなり静電気の発生が抑えられます。
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シャンプーの洗浄作用は全て界面活性剤の作用と言っても過言ではありません。
続く。
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<11/08/2017 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>