ダニ媒介脳炎について。昨年に続いて2例目の死亡事例発生。 (皮膚科情報) | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

〒064-0825
札幌市中央区北5条西27丁目メディック28 3F

011-640-8180

blog
院長ブログ

ダニ媒介脳炎について。昨年に続いて2例目の死亡事例発生。 (皮膚科情報)

先日、道南で70台男性が「ダニ媒介脳炎」で死亡したと報道がありました。国内発症は3例目で死亡例は2例目です。いずれも北海道での発症です。しかも1例目の死亡例は昨年夏です。”1年待たずして2例目の死亡事例が発生”しました。
最近虫刺されで来院される方が多いですが、特に最近は「この虫刺されマダニじゃないでしょうか?」と不安感を感じて来院する方が多いです。
ダニとはマダニのことで、原因となる”フラビウイルス”を持ったマダニに咬まれて発症します。主にヨーロッパやロシアで発症していましたが、北海道でももはや無視できない状況となりました。
ウイルスを持ったマダニに咬まれ、感染し発症しても、”これと言った治療法がありません”。ですから、予防が一番大切です。
これから夏休みに入り、キャンプや登山など山に入る機会が必然的に多くなります。解放感や暑さゆえに、肌の露出が多くなりがちです。予防対策として次のような事が必要です。
・・・・・・・・・・
①肌の露出を避ける
長袖長ズボンなどで、腕・足・首などの露出を少なくする。首にはタオルを巻くかハイネックのシャツを着用。軍手など手袋を着用し、シャツの袖口を軍手や手袋の中に入れる。シャツの裾はズボンの中に入れる。ズボンの裾に靴下を被せる。などの対策が必要です。
②家の中に持ち込まない
使用した上着や作業着は家の中に持ち込まない配慮が必要です。衣服にマダニが付着している可能性があり、家族にマダニ被害が及ぶことがあります。ガムテープなどを使って、上着や作業着をペタペタと付けたり剥がしたりすると、衣服に付着しているかも知れないマダニを除去するのに効果的です。
③マダニに対する忌避剤(虫よけ剤)の使用
ディート、イカリジンと言った忌避剤(虫よけ剤)が市販されています。
④ダニ媒介脳炎に対するワクチンを受ける
仕事上頻繁に山に入らなければならない方も多くいます。今年4月から市立札幌病院でダニ媒介脳炎に対するワクチンを行っています(自費)。マダニに咬まれるリスクの高い方は検討の価値があると考えます。
・・・・・・・・・・
今後北海道でダニ媒介脳炎の患者が増えるかどうかはわかりません。不気味な印象がありますが、それだけに予防してし過ぎることはないと思います。
・・・・・・・・・・
<17/07/2017 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>