vol.44 アイケア(目の周りのスキンケア) | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

〒064-0825
札幌市中央区北5条西27丁目メディック28 3F

011-640-8180

knowledge
お肌の基礎知識

vol.44 アイケア(目の周りのスキンケア)

人間の皮膚の中で、目の周りの皮膚が一番薄くできています。それゆえに様々なトラブルが生じます。目の周りの皮膚の特徴について、それに対するアイケア(目の周りのスキンケア)について考えます。

目の周りの皮膚の特徴

  • 1.薄い

    人体の皮膚の中で、一番薄いのが目の周りの皮膚、特に眼瞼の皮膚です。対して一番厚いのは手のひらや足の裏の皮膚です。

  • 2.刺激が多い

    常に外気に露出している顔に存在するためいろいろな刺激(洗顔、化粧、汗、花粉やほこり等)を受けやすいところです。

  • 3.目や鼻とつながっている

    目の周りの皮膚は、目の結膜と連続しています。涙は涙点(目頭にある小さな穴)から涙管を通って鼻の中(鼻腔)に流れ込みます。つまり涙管を通して目の周りと鼻はつながっているのです。このように目や鼻との密接な関係から、目や鼻の炎症(結膜炎や鼻炎)の影響を受けやすい特徴があります。

よく起こるトラブル

  • 1.肌荒れと皮膚炎

    皮膚が薄いということは、肌が荒れやすいともいえます。特に寒く乾燥する冬期間は顕著です。乾燥して肌が荒れると、それだけで皮膚炎の原因になることがあります。
    さらに毎日行われる洗顔による石けん等による刺激が加わります。女性の場合は化粧品(化粧水、美容液、ファンデーション、クレンジングなど)による刺激がプラスされ、肌荒れや皮膚炎の悪化を助長させます。本来目の周りは念入りな洗顔の必要ないところですが、女性の場合、目の周りのファンデーションやマスカラ、アイシャドウを落とすがために念入りなクレンジングと洗顔が必要となり、ついついこすってしまう傾向があります。

  • 2.アレルギー

    先に述べた、目の周りの皮膚は目や鼻とつながっているという事情から、花粉症などアレルギーによる結膜炎や鼻炎が原因で皮膚炎を起こすことがあります。結膜炎で目が痒くてこすってしまう。鼻炎が悪化して目の周りが痒くなったり、まぶたが赤く腫れてむくんだりといったことがしばしば見られます。

アイケア

皮膚が薄く刺激に敏感な部分なので、まず化粧水や保湿剤による補水・保湿は必要不可欠です。これはシワの予防にもなり、老化防止の観点からも重要です。アイケア専用のアイクリームやアイジェルといったスキンケア用品もさまざまなメーカーから出ています。しかしながら、肌荒れや皮膚炎を起こしているときに、これらがかえって刺激になってしまうことがあります。こんな時は、熱すぎない蒸しタオルを目の周りにしばらく載せ、水分を吸収したところでワセリンなどを塗り水分を閉じ込めるのが効果的です。肌荒れや皮膚炎が改善しない場合は、無理せず治療を受けたほうが良いでしょう。花粉症や鼻炎などアレルギーが原因と疑われる場合は、抗アレルギー剤の内服やステロイド剤などの外用が必要な場合もあります。