唇も皮膚です。しかし、角質が他の皮膚に比べて薄く、また皮脂が分泌されないために、水分が逃げて乾燥しやすいという特徴があります。また、食べたり飲んだりしゃべったりと、常にさまざま刺激を受けるなど、他の皮膚とは状況がかなり異なっています。このため唇は、荒れて乾燥し皮膚炎を起こしやすく、またそれが長引く傾向があります。唇が荒れてカサカサしていると、ピリピリと痛んだり、腫れたり、食べ物や飲み物がしみたりと結構うっとうしいものです。
では、荒れや乾燥を防ぎ、艶と潤いのある唇を維持するためには、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。
唇をなめない
乾燥しているからといって頻繁に唇をなめていると、さらに乾燥が進行します。なぜなら、なめることで乾燥から唇を守る保湿成分(角質細胞間脂質など)を奪い取ってしまうからです。さらに唾液の刺激で皮膚炎を起こしてしまうこともあります。
保湿をしっかり
リップクリームをまめに塗ることがまず基本です。表面をコートするだけでなく、内部に浸透して水分を補給してくれる、唇専用のエッセンスタイプのものもあります。口紅を塗る前に下地にリップクリームを使用するのも工夫の一つです。唇と口紅の間に膜をつくり、唇を刺激からより強力に守るのです。塗った後に軽くティッシュで拭き取れば、口紅ののりが悪くなることはありません。また、白色ワセリンの使用が効果的な場合も多いようです。唇にリップクリームや白色ワセリンを塗り、さらにラップを当てて時間をおくリップパックも試してみてはいかがでしょうか。
口紅の選択
口紅の色素や香料が合わなくて皮膚炎を起こし、唇が荒れて乾燥する場合もあります。口紅を新しくしてからこのような症状が出た場合は、一度使用を中止して経過をみてください。 唇が荒れやすい人は、モイスチャー成分の多い口紅を使用するといいでしょう。いろいろなメーカーから出ています。口紅のクレンジングはしっかり行うことが重要です。口紅が残っていると荒れの原因になります。特に「落ちない口紅」を使っている人は専用のクレンジング剤を使用した方が無難です。
ビタミン
唇も体の一部です。規則正しい生活とバランスの取れた食生活が唇の健康に必要なのは言うまでもないことですが、そうもいかない場合が多いのも事実です。唇の荒れと乾燥に必要な栄養素として、ビタミンB2・B6・Aなどが挙げられます。これらは新陳代謝を高めて、荒れた唇の快復を手助けしてくれます(お肌の基礎知識 メモNo.7参照)。