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院長ブログ

ポリフェノールとお肌の関係

最近の健康長寿ブームで、あれこれを多く摂取するといいとかなんとか、よく耳にします。
ポリフェノールもその一つで、赤ワインに多く含まれるので、ワインをたくさん飲むフランス人は、その効果で心臓病での死亡率が低いとかなんとか。
そこで、具体的にポリフェノールに関して深く掘り下げたことがなかったので、調べてみました。
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ポリフェノール(polyphenol)とは、たくさんの(poly)フェノール(phenol)と言う意味で、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を持つ植物成分の総称です(有機化学)。その種類は5000種に及びます。
植物の光合成によってできる色素や渋み、苦味の成分であり、本来は植物の細胞の生成や活性化を助ける働きを持つ物質です。
ポリフェノールは抗酸化作用が強く、体内で発生する有害な活性酸素を抑える効果があります。この作用のためポリフェノールには、動脈硬化を抑える、発癌抑制、抗老化作用(アンチエイジング)、成人病予防(糖尿、高血圧、肝疾患)などさまざまな効果があるとされています。
では5000種にも及ぶポリフェノールのうち、代表的にどのようなものがあるのでしょうか。
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大きく分けて、ポリフェノールには、”フラボノイド系”と”フェノール酸系”の2種類があります。
”フラボノイド系”は、植物の光合成によって生じた色素成分です。
代表的なフラボノイド系ポリフェノールには、カテキン(緑茶、紅茶など)、アントシアニン(ブルーベリー、ぶどうなど)、ケルセチン(玉ねぎなど)、ルチン(そばなど)、イソフラボン(大豆など)などがあります。
”フェノール酸系”は、植物の光合成によって生じた色素以外の成分(苦味、渋みなど)です。
フェノール酸系ポリフェノールには、クロロゲン酸(コーヒー豆など)、エラグ酸(イチゴ、ざくろなど)、リグナン(ゴマなど)、クルクミン(ウコンなど)、タンニン(柿、ワインなど)などがあります。

近年は科学的見地からだけでなく、5大栄養素(蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)や食物繊維に次ぐ栄養素として注目され、さらなる研究がおこなわれています。
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各論としてさらに掘り下げてみました。
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【フラボノイド系ポリフェノール(植物の光合成によって生じた色素成分から得られた)】
《カテキン》
ワイン、緑茶、リンゴ、さくらんぼ、梨、ブドウなどに含まれます。
有害な活性酸素を除去する抗酸化作用。体内に侵入したウイルスの増殖を抑える抗ウイルス作用。がん細胞の増殖を抑える抗がん作用。血中コレステロールを下げる作用。腸からの糖の吸収を抑えることによる血糖の上昇を抑える効果。殺菌・抗菌作用。などがあります。
《アントシアニン》
ブルーベリー、カシス、ブドウの実皮、ムラサキイモ、なす、黒豆などに含まれます。
抗酸化作用があり、筋疲労を抑制し、運動による過酸化脂質の増加を抑制したとの実験結果があります。「視力回復によい」「動脈硬化や老化を防ぐ」「炎症を抑える」などの効果が謳われていますが、有効性・安全性については、信頼できるデータが十分ではないようです。
《ケルセチン》
玉ねぎ、ブドウ、ブロッコリー、リンゴなどに含まれます。
抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用などが報告されています。
《ルチン》
そば、アスパラガスなどに含まれます。
抗酸化作用。抗炎症作用。血小板凝集を阻害し、毛細血管透過性を減少させることにより、抗凝血作用を示し、血行を改善する作用。高血圧予防効果などが認められています。ビタミン様の働きがあることから、単独でビタミン様物質(ビタミンP)とも呼ばれていました。現在はケルセチンもビタミン様物質(ビタミンP)と呼ばれています。
《イソフラボン》
大豆類などマメ科の植物、豆腐や納豆など大豆加工食品に多く含まれます。
イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。骨粗しょう症、乳がんや前立腺がん等の予防効果が期待され、最近ではアンチエイジングの観点からも注目されています。しかし未だ実際に多くの研究が行われている段階にあり、ヒトにおけるイソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していないようです。
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【フェノール酸系ポリフェノール(植物の光合成によって生じた色素以外の成分から得られた)】
《クロロゲン酸》
主にコーヒーに含まれます。その他、ごぼうやサツマイモの皮にも含まれます。活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
糖質分解酵素阻害活性があり血糖値の上昇を抑え糖尿病を予防する効果があります。
肝臓内で脂肪をグルコースに変換する酵素を抑制し、糖分の代わりに脂肪をエネルギー源として利用させる効果があります。結果的に脂肪の蓄積による脂肪肝を予防する効果あります。
一方で、クロロゲン酸には、胃液の分泌を活性化させたり胃の働きを活発化させたりする効果があり、胃潰瘍や胃酸過多の方には胃への負担が大きくなります。
《エラグ酸》
イチゴ、ラズベリー、クランベリー、ブドウなどに含まれます。強い抗酸化作用があります。
エラグ酸の代表的な効果として美白作用があります。
色素沈着やシミの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果があります。チロシナーゼと言う酵素の活性を抑えてメラニン色素が生成されるのを防ぐ効果があるのです。そのため多くの美白化粧品でエラグ酸が使われています。
またストレスや紫外線の影響で肌には活性酸素が生じ、老化や肌荒れを起こします。その際それらのダメージから肌を守ろうとメラニン色素が多く産生されます。このような肌に生じた活性酸素に対する抗酸化作用によっても美白効果を発揮します。
《リグナン》
ゴマに多く含まれます。同様に抗酸化作用があります。
日本ではそれほど注目されていませんが、欧米ではその効果に高い関心が寄せられています。
リグナンは、腸内細菌によって植物由来の女性ホルモン様の物質、すなわち植物性エストロゲンへと代謝されます。これは弱いエストロゲン様作用および抗エストロゲン作用を示すと言われています。このためリグナンは,乳がんの危険率を低めることが報告されています。
《クルクミン》
ウコン(ターメリック)に多く含まれます。黄色のポリフェノール化合物です。スパイスや食品の着色剤として使用されています。カレー粉の黄色っぽさはウコン(ターメリック)の色です。
抗酸化作用、抗がん作用、抗炎症作用などの研究報告があります。
クルクミンが脳におけるアミロイドの蓄積を抑制するとの実験報告があり、アミロイドの沈着・蓄積が原因とされるアルツハイマー型痴呆症の発症を抑制する可能性が示唆されています。
《タンニン》
赤ワイン、茶、柿などに多く含まれます。
抗酸化作用、殺菌、消臭作用があります。
ワインのタンニンはブドウの皮、種、茎の部分から醸造される際に生成されます。ワインは木樽で熟成して作られますが、この際にもタンニンが生成されます。ワイン造りには多くの場合、オーク材の樽が使われますが、オーク材はタンニンを多く含むので、熟成と同時に、ワインのタンニンが増えていくのです。またタンニンはワインの熟成において酸化を防ぐという重要な役割も果たしています。

これらポリフェノールの効果のすべてが我々の健康にとって有益とは限りません。まだまだ未解明なことも多く、現在のポリフェノールによる健康志向は、一部の解明された効果に依存しているのが現実です。
さて、あえてポリフェノールとお肌の関係に絞ってまとめると、以下のようになります。
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①ポリフェノールの持つ強力な抗酸化作用によるもの :
人間は呼吸することにより、酸素を体内に取り込んでいます。このうち約2%程が体内で活性酸素になるといわれています。この活性酸素が、細胞を錆びさせる(酸化)原因となります。細胞が酸化されることで様々な不利益が発生します。その一つが老化です。
活性酸素はお肌にも老化をもたらします。例えば、メラニン色素が過剰に作られ、しかもその排泄機能を衰えさせシミを作ります。また、肌の弾力を保つ成分であるコラーゲンやエラスチンを酸化し変性を起こし、シワやたるみを起こします。
このような有害な活性酸素を無力化させる(抗酸化作用)作用を持つ成分の一つが、ポリフェノールです。
ですからポリフェノールの力を借りれば、シミやシワといったお肌の老化をある程度抑えることが可能かもしれません。
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②ポリフェノールの持つ抗酸化作用”以外”によるもの :
お肌は体の一部ですから、体に有益なことはお肌にも良いと考えて差し支えありません。
その観点からいえば、様々なポリフェノールの効果(血圧安定、動脈硬化の抑制、炎症を抑える、アレルギー症状を抑える、等々)は結果的にお肌にも良いことになります。
その中でも、お肌に対して注目できるポリフェノールを挙げます。
エラグ酸(イチゴ、ラズベリー、ブドウなどに含まれる)には美白効果があります。色素沈着やシミの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果があるのです。多くの美白化粧品でエラグ酸が使われています。
リグナン(ゴマに多く含まれる)やイソフラボン(大豆に多く含まれる)にはエストロゲン様作用(女性ホルモン様)があり、肌のアンチエイジング効果があるのではと注目されています。
カテキン(ワイン、緑茶に多く含まれる)やクロロゲン酸(コーヒーに主に含まれる)には、お肌のコラーゲンの元となる線維芽細胞の増殖促進にかかわっているのではとの研究報告もあります。
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健康志向が強い昨今ですが、とりわけ最近はポリフェノールに対する注目度が高い印象があります。未解明なことも多いため、盲目的にポリフェノールと健康とを関連付けるのは早急と思われます。しかしながら、様々な病気や発がん、老化の原因に活性酸素が関与していると考えられているため、抗酸化作用の強いポリフェノールは今後も注目に値するのは間違いないでしょう。