肉を焼いた時の褐色の焼き色と香り、玉ねぎを炒めた時の飴色の色づき、コーヒー豆の焙煎で褐色に、クッキーやパンの焼き色と香ばしさ、デミグラスソースの褐色、これらはすべてメイラード反応の産物です。
メイラード反応とは糖がアミノ酸やタンパク質と結合する化学反応で糖化反応と言われます。加熱でその反応が促進されます。20世紀にフランスの科学者ルイ・カミーユ・マヤール(メイラード)が研究を行ったことから名付けられました。
メイラード反応は調理などの加熱時だけでなく常温でも起こります。体内で、ブドウ糖や果糖などの還元糖とアミノ酸やタンパク質と結合(糖化)して起こります。そのため日常的、継続的に体内の血糖が高いと起こりやすと言われています。しかしながらこの反応が体内で起こると、我々の健康を害する終末糖化産物”AGEs(Advanced Glycation End Products)”という毒性の強い物質に変化していきます。AGEsは体内で炎症を誘発し、酸化を促進すると考えられ、さらに活性酸素による細胞障害を加速すると言われています。老化を進める元凶ともいわれています。
これらメイラード反応とそれに続くAGEsの産生は、お肌に悪影響を及ぼします。
メイラード反応により肌の黄ばみ、茶色への変化を起こします。タンパク質である真皮のコラーゲン線維やエラスチン線維が糖化されることによって弾力性が低下しシワ・たるみの原因となります。さらにAGEsによって肌の老化が促進されます。
メイラード反応を完全に避けることはできません。しかしある程度予防は可能です。
メイラード反応を予防するには、摂取カロリーの適正な調整、急激に血糖値を上げない食生活、例えば野菜を先に食べる工夫(ベジタブルファースト)が効果があるようです。
甜茶(てんちゃ)・ドクダミ茶・ルイボスティーなどのお茶は抗糖化作用が強いようです。
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<15/12/2025 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>