解毒症体質 と アトピー性皮膚炎 (一貫堂医学)  | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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院長ブログ

解毒症体質 と アトピー性皮膚炎 (一貫堂医学) 

漢方医学における毒と、西洋医学で言う毒とは意味が違うと以前のブログにてお話をしました。
西洋医学で言う「毒」とは毒物を指し、漢方医学における「毒」とは「生体の正常な生理機能を阻害しているもの」を意味します。

古くから伝えられている漢方医学の一つに、森道伯氏(1867~1931)が体系化した一貫堂医学があります。現在もなお多くの医師により伝承発展を続けていようです。

この一貫堂医学において人の体質を、①瘀血(おけつ)症体質②臓毒症体質③解毒症体質の3つに大分類しています。

①瘀血証体質とは、遺伝的体質・月経異常・打撲など種々の疾患が原因となり、非生理的血液の留滞した(末梢循環不全で血流が滞っている)体質のことです。瘀血とは漢方医学的に血毒ととらえることができます。
②臓毒証体質とは、臓毒(風毒・食毒・水毒・梅毒)が身体の各臓器に蓄積した体質とされています。イメージ的には新陳代謝が悪化低下しやすい体質に後天的な臓毒(食べ過ぎ、呑み過ぎ、糖尿病、異化亢進など)が蓄積された体質と考えられます。
③解毒証体質とは、主に遺伝的な体質で、一貫堂医学によれば「結核にかかりやすいタイプ」といわれています。現在では結核は西洋医学的に治療が確立され治る病気になりましたので、「結核にかかりやすい」と言ってもピンと来ません。現在ではそれに代わってアレルギー疾患が増えています。結核菌を含めた細菌感染やウイルス感染、花粉や食物・化学物質などのアレルゲンなど、外界からの刺激に反応し感染惹起、アレルギー反応などを通して炎症を起こしやすい体質と解釈されています。

これら3つの体質の中で、主に皮膚と関連付けられるのが③解毒証体質です。
この解毒証体質に由来すると考えられる代表的な皮膚疾患にアトピー性皮膚炎があります。
黄連解毒湯、四物湯、温清飲、柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯などが主に用いられます。
外用薬や抗アレルギー薬のように、効果が目に見えてすぐに認められるものではないのが難しいところです。
まだまだ学ぶことが多いです。
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<03/04/2022 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>