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院長ブログ

「保湿剤」の用語に関する国際的取り決めはありません。用語の使い方が混乱しています。 <NEW>

10月も半ばになり肌寒い今日この頃です。肌が乾燥する季節になりました。
お肌の健康を維持するには乾燥を避けることが大切です。
年齢とともに肌は乾燥します。元来の乾燥肌の人もいます。
ですから保湿が重要です。
保湿に関して学ぼうとすると一つの壁にぶち当たります。
それは保湿剤に関する用語が、医学雑誌や文献、サイトによってまちまちで混乱してしまうのです。
実際、保湿するだけなら市販や処方された保湿剤を塗っていればそれで十分なのですが、自分のような皮膚オタクはそうはいきません。
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保湿成分には、水溶性成分の保湿剤と脂溶性成分の保湿剤があります。
水溶性成分とは水に溶けやすい成分のことです。脂溶性成分は油に溶けやすい性質を持った成分です。
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水溶性の保湿成分はモイスチュアライザーとも言います(※①)。これには水分を吸着して保湿(吸湿)するタイプと水分を抱えるように保湿(保水)するタイプがあります。
水分を吸着する吸湿タイプは、天然保湿因子(NMF)によく似たはたらきをします。代表的なものは、尿素、ヘパリン類似物質、グリセリン、BG(ブチレングリコール)、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA-Na)などです。
このうち尿素とヘパリン類似物質は、保険収載され治療で用いられます。
水分を抱えるように保湿する保水タイプには、コラーゲン、ヒアルロン酸などがあります。
吸湿タイプの保湿成分をヒューメクタントと呼びます。一方で吸湿タイプ及び保水タイプの両方をヒューメクタントと呼ぶ場合もあります。(※②)
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脂溶性の保湿成分はエモリエントとも言います。お肌から水分の蒸発を防いでお肌の水分を保持し、お肌を柔らかくする作用を持ちます。
お肌の表面に油の膜を張るように、いわゆる皮脂膜に相当する働きをします。
植物性オイルとして、オリーブオイル、アルガンオイル、シアバター、スクワランなどがあります。
動物性オイルとして、スクワラン、馬油、ラノリンなど。
鉱物性オイルとしてワセリン(プロペト含む)、亜鉛華軟膏などがあります。
スクワランは、植物性オイルと動物性オイルが混合されています。
ワセリン、亜鉛華軟膏は保険収載され治療で使われます。
セラミド、コレステロールも脂溶性保湿成分です。エモリエントに分類されます。これらは角質細胞間脂質としてバリア機能に欠かせないものです。
しかしながら、セラミドやコレステロールは水分を挟み込むように保持する機能もあり、モイスチュアライザイーと分類されることもあります。(※③)
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以上簡単に自分なりにまとめましたが、実際はいろいろ混乱点があります。
※①:水溶性の保湿成分をモイスチュアライザイーと言うのですが、保湿効果のあるものすべてをモイスチュアライザイーと呼ぶこともあるようです。つまり、水溶性の保湿成分も脂溶性の保湿成分(エモリエント)もまとめてモイスチュアライザイーと呼ぶこともあるようです。
※②:水溶性の保湿成分をヒューメクタントと呼ぶ場合と、水溶性の中で吸湿(水を吸着する)タイプの保湿成分のみをヒューメクタントと呼ぶ場合があるようです。
※③:セラミドやコレステロールは脂溶性の保湿成分ですので本来はエモリエントと分類されますが、保湿効果も認められているためかモイスチュアライザイーとされることもあるようです。
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ますます混乱してきました。早く統一してほしいです。
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<12/10/2021 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>