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院長ブログ

ペット由来の白癬菌症に注意。 (皮膚科情報)

最近の猫ブームで、猫をペットとして飼っている人がかなり増えたようです。また、希少なウサギやハリネズミなどがペットとして相当数輸入されています。
同時に、犬や猫などのペットと濃厚に接触する(一緒に同じ布団で寝る、キスをする、同じ食器で食事をする)飼い主は、今や珍しくありません。
人とペットが身近になるにつれて、人畜共通感染症が注目されるようになりました。
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水虫に代表される白癬菌は、主に人に感染する”ヒト好性菌”、動物に感染する”動物好性菌”に分類されます。動物に感染する動物好性菌が人に感染すると、ヒト好性菌に比べて強い炎症を引き起こします。発赤や膿疱などを伴い、頭部に感染すると毛根にも炎症が及び脱毛が起こる(ケルスス禿瘡)こともあります。これらは激しい炎症ゆえに、白癬菌が原因との認識が乏しくなりがちで、化膿性の皮膚疾患(”とびひ”など)やアレルギー性の湿疹などと誤認されやすい傾向があります。
ヒト好性菌による白癬症は、足や股部が多いのに対し、動物好性菌による白癬症は、ペットと接触する顔や頚、頭部に多い傾向があります。真菌検査にて菌を確認すれば診断は確定します。治療は抗真菌薬の外用や内服です。
一見普通の犬や猫が白癬菌に感染していることがあり、知らないうちに飼い主に感染してしまうこともあります。またそれほど接触していなくても、犬や猫の抜け毛から感染してしまう可能性もあります。
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ペットを飼っている人で、なかなか治らない皮膚炎があれば、ペット由来の白癬症を疑い専門医の受診を考えてみて下さい。自分も愛犬が2匹おり、モフモフした手触りが好きで、ついつい抱きしめてしまうため気を付けなくてはいけません。
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<24/11/2016 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>