漢方治療 | 札幌中央区皮膚科 宮の森スキンケア診療室

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chinese medicine treatment
漢方治療

about漢方治療とは

漢方治療は、疾患や症状に加えて患者さんの体格や体力、また現在の病態について東洋医学的に把握し、その人に合った漢方薬を選択して治療を行うものです。
疾患に直接働きかける西洋医学と組み合わせて、症状を体の側から治していく治療法と捉えてよいでしょう。

漢方治療の目的は、生きる上で欠かせないエネルギーが体全体を正常にめぐっているか確認したうえで、不調を引き起こす箇所に栄養素を補って身体の状態を正していくことです。
処方される漢方薬はもちろんのこと、日々の生活環境や食べ物も見直しながら、症状の起きづらい身体に整えるのが漢方治療の役割なのです。

漢方治療とは

basic漢方治療の基本

中国医学の診断法をもとに、病気の部位や性質・勢いについて、
また気血水のバランスを診ることで身体に起きている症状を把握して改善方法を導きだします。

漢方治療の基本

01

病気の部位(病位):表と裏

病気が体のどの箇所に表れるかによって「表」「裏」と分類されます。「表」は、体の表面(皮膚・皮下組織・筋肉)をあらわします。
対して「裏」は身体の内部(臓器・消化器・循環器などの内臓)をあらわします。
病気の部位が表にあれば「表証」、裏にあれば「裏証」と表現されます。症状が初期あるいは軽度であると表証にとどまり、進行すると裏証に至ります。

02

病気の性状(病性):熱と寒

病気の性質や発症分類によって「熱証」「寒証」に分類されます。
たとえば「熱証」では顔色が赤いまたは黄色い、熱感が強い、口喝(こうかつ)を強く感じる、暖房で気分が悪くなりやすい…といった症状が分類されます。そして「寒証」は悪寒を感じやすい、口喝が少ない、夏でも熱いものを好む、冷房が苦手などの症状が該当します。

03

病気の勢い(病勢):実と虚

病気は、正気(身体の抵抗力)と邪気(病毒の影響力)がぶつかり合った状態と捉えられます。
正気が強くて病原体に対する抵抗力のある状態を「実証」と呼びます。(この正気が強まりすぎた状態も含まれる場合もあり、すべて良好な状態を指すわけではありません)
対して正気が弱まり、体内の機能が不足・低下して病気になりやすい状態・体質を「虚証」と呼びます。

04

気・血・水バランスの診断

気(き)… 生命エネルギーのこと。内臓や体内の血液・水分を動かし、自律神経や内分泌系を管理する
血(けつ)… 現代医学における「血液」。全身に酸素や栄養を運び、ホルモンバランスを調整する
水(すい)… 血液を除く体内の水分全般を指す。新陳代謝をつかさどり、潤いや循環が重要となる

病気の状態を表-裏、熱-寒、実-虚で表す一方、病気の原因は「気」「血」「水」の3要素に分類されます。それぞれ「生命エネルギー」「血液」「水分」を指し、これらのバランスが大切です。
「気」が弱まって元気が不足している状態を気虚(ききょ)と言い、さらに気が停滞した状態を気滞(きたい)または気鬱(きうつ)と言います。
疲れやすさ、疲労感・倦怠感、胃腸の不調、風邪を引きやすいなどの誘因となります。
「血」は、流れが悪くなると瘀血(おけつ)という状態になり、さらに血自体が不足すると血虚(けっきょ)を引き起こします。肩こりや身体の冷え・月経の乱れ、また目の疲れや皮膚の乾燥をもたらします。「水」も、不足や偏在によって不調を引き起こします。水分や体液が偏在すると水毒(すいどく)や水滞(すいたい)をもたらし、むくみや排尿障害、目まいなどを引き起こします。
以上のような病位・病性・病勢に気血水のバランス、そのほか病期(太陽病、小陽病、陽明病)、をもとに五臓六腑などの概念を通して、それぞれの患者さんの病態を把握します。

medical examination診察の方法

診察では視診、問診を通して病態を把握し、さらに腹診や脈診(浮脈・沈脈など脈の状態をみる)や舌診(舌苔・うっ血・むくみの観察)を通して病状や病勢を把握します。

すぐに効果がみられる場合や、徐々に改善してくる場合もありますので、現在の状況をしっかり見せて頂くのが大切です。

診察の方法

漢方治療が有効な皮膚疾患の例