ポリフェノールとお肌の関係 その④ (皮膚科情報) | 札幌市中央区の皮膚科なら宮の森スキンケア診療室

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ポリフェノールとお肌の関係 その④ (皮膚科情報)

過去3回にわたってポリフェノールについて深く掘り下げて調べて来ました。
ポリフェノールとお肌の関係 その①
ポリフェノールとお肌の関係 その②
ポリフェノールとお肌の関係 その③
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、その種類は5000種以上に及びます。強い抗酸化作用を有し、有害な活性酸素を抑える効果があります。またポリフェノールの種類により、様々な独自の機能や効果が認められています。
これらポリフェノールの効果のすべてが我々の健康にとって有益とは限りません。まだまだ未解明なことも多く、現在のポリフェノールによる健康志向は、一部の解明された効果に依存しているのが現実です。
さて、あえてポリフェノールとお肌の関係に絞ってまとめると、以下のようになります。
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①ポリフェノールの持つ強力な抗酸化作用によるもの :
人間は呼吸することにより、酸素を体内に取り込んでいます。このうち約2%程が体内で活性酸素になるといわれています。この活性酸素が、細胞を錆びさせる(酸化)原因となります。細胞が酸化されることで様々な不利益が発生します。その一つが老化です。
活性酸素はお肌にも老化をもたらします。例えば、メラニン色素が過剰に作られ、しかもその排泄機能を衰えさせシミを作ります。また、肌の弾力を保つ成分であるコラーゲンやエラスチンを酸化し変性を起こし、シワやたるみを起こします。
このような有害な活性酸素を無力化させる(抗酸化作用)作用を持つ成分の一つが、ポリフェノールです。
ですからポリフェノールの力を借りれば、シミやシワといったお肌の老化をある程度抑えることが可能かもしれません。
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②ポリフェノールの持つ抗酸化作用”以外”によるもの :
お肌は体の一部ですから、体に有益なことはお肌にも良いと考えて差し支えありません。
その観点からいえば、様々なポリフェノールの効果(血圧安定、動脈硬化の抑制、炎症を抑える、アレルギー症状を抑える、等々)は結果的にお肌にも良いことになります。
その中でも、お肌に対して注目できるポリフェノールを挙げます。
エラグ酸(イチゴ、ラズベリー、ブドウなどに含まれる)には美白効果があります。色素沈着やシミの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果があるのです。多くの美白化粧品でエラグ酸が使われています。
リグナン(ゴマに多く含まれる)やイソフラボン(大豆に多く含まれる)にはエストロゲン様作用(女性ホルモン様)があり、肌のアンチエイジング効果があるのではと注目されています。
カテキン(ワイン、緑茶に多く含まれる)やクロロゲン酸(コーヒーに主に含まれる)には、お肌のコラーゲンの元となる線維芽細胞の増殖促進にかかわっているのではとの研究報告もあります。
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健康志向が強い昨今ですが、とりわけ最近はポリフェノールに対する注目度が高い印象があります。未解明なことも多いため、盲目的にポリフェノールと健康とを関連付けるのは早急と思われます。しかしながら、様々な病気や発がん、老化の原因に活性酸素が関与していると考えられているため、抗酸化作用の強いポリフェノールは今後も注目に値するのは間違いないでしょう。
了。
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<04/07/2018 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>